






話す度、目が合う度、他の彼と話す度、過ごす度、あなたは私の空間に鍵をかけ、閉じ込める。
それは、心地がいいのか、息苦しいのか――――。
嫉妬や、独占、束縛という名の鍵が幾重にもかかり、身動きできず逃れられなくなっていく。
愛されすぎるヒロインの物語です。
ストーリー
入学早々失敗をしてしまい、以来それが原因で一年近く不登校に。
家からも出なくなり、誰かに会うのも怖くなってしまった。
このままじゃいけない。毎日部屋の中でそう思うだけ。
毎日がただ何もなく過ぎていく。けれど、それが、怖い。
一日が過ぎる度に不安は大きくなり、余計に外へ出られなくなっていく。
そんなある夜、見た夢。
「外にほんの少し踏み出してみましょう」
「前髪を思い切って短く、…今じゃない自分に」
「さあ、…――――外へ」
不思議な声は、それで止んだ。
ぼんやりしながらも再び眠りにつく。
外になんて出られるわけ……ない……。
朝。夢のことが忘れられないでいる。
重く、止まってしまいそうな足を微かに動かす。
微かに震える手を、ドアへ。
夢に押されるように――――私は、外へ飛び出した。
黒と金の開かない鍵。
アドベンチャー

