人質姫は敵国ライフをエンジョイしてるって噂(1)

雪国アルデン王国に名誉人質として送られた港町育ちの王女エリシア。迎えたのは冷徹な第一王子レオン。「笑顔も任務だ」と距離を置く彼と、笑顔を甲冑に振る舞う彼女。仮面舞踏会や湖畔で交わされる言葉、そして妹を守るために隠された火傷の過去――。氷の距離と秘めた温もりが交差する、冬の城の物語。
―冬の城、笑顔の甲冑、そして“正しい距離”―
港町育ちの明るい第二王女エリシアは、両国の均衡を保つため名誉人質として雪の国アルデン王国へ。
彼女を迎えたのは、黒い瞳と冷たい距離を保つ第一王子レオン。
「笑顔も任務だ」――氷のような忠告を受けながらも、エリシアは城下を散策し、人々と笑顔を交わし、小さな温もりを積み重ねていく。
けれど、仮面舞踏会の夜、正しい距離を守りながらも触れてしまった指先は、二人の胸に別の鼓動を刻みはじめる。
そして湖畔で語られる、エリシアが人質を引き受けた本当の理由――妹への深い罪と、隠された火傷の跡。
氷と火のあいだで揺れる二人の物語が、いま動き出す。
【この作品の表紙イラストはAI生成によるものです】