男の身体は、目玉焼き
朝の目玉焼きのように――彼の身体は、熱と香りを纏い、見る者の奥に美味なる欲望を呼び覚ます。——もし、この黄身が彼の白い肌に、ぽたり、ぽたりと零れ落ちたなら。とろりとした金色が、胸の起伏を伝い、乳首をかすめ、腹筋の影へと吸い込まれていく――。その滴はただの食べ物ではなく、甘美な欲望の味わいとなって、肉体と溶け合い、抗えぬ色気を放つ。想像するだけで、ひと口では足りないほどの快楽を、この朝に重ねられるのに。家の中に潜む、艶やかで優しい謎の男。その肉体は、伽理紗の欲望を映す鏡のように立ち現れ、触れるたびに彼女の視線をいっそう貪欲にしていく――彼は一体、何者なのか。そして相馬。かつて唯一無二と信じた肉体を、今こそ自らの手で征服したいという渇望。その胸板も、声も、震えも――すべてを「自分のものに」と願う欲望が、伽理紗の中で煮え立つ。再び差し出された誘惑の手に、果たしてどう応えるのか。さらに現れた陽光のような若き新海。焼けた肌、無邪気な笑み、荒々しくも瑞々しい生命の輝き。それは伽理紗にとって、抗いがたい「美味なおやつ」のように甘く、鮮やかに欲望を刺激する。だが、その奔放な熱は、相馬への執着を塗り替え...