落城のネロリ
_◆イントロダクション君は高潔で美しい、高嶺の花。だからこそ、暴きたいと思った。愛すれば愛するほどに、色香を増すネロリ。これは交わるはずのなかった二人の、忘我と耽溺の物語。◆あらすじ名家の一人娘としてこの世に生を受けた貴女は、蝶よ花よと育てられ、齢二十二を迎える。大学卒業を機に慣れ親しんだ街、家を離れて地方都市で一人暮らしを始めた貴女のもとへ、一人の男性が訪ねてくる。整った顔立ち、すらっとした体躯、年は……二十半ば程だろうか。“久我”と名乗る彼は貴女の身の周りの世話をするようにと貴女の両親から言付かって訪ねてきたという。訝しがる貴女だったが、両親との電話でその誤解が解ける。初めての一人暮らしに心細さを感じていた貴女は、ほっとした様子で久我を迎え入れる。そして、その夜。純潔の花は、激情のままに手折られる――「ははっ、大丈夫ですよ。御父上には言いませんから。それと、久我で結構です。「さん」付けなんて勿体ない」「……ふふ、乙女の匂いがする……これから俺が、女にしてあげるからね……」「本当に素敵だよ……大事に育てられた、温室の花……これからは、俺だけの花……」◆キャラクタープロフィール久我(く...