


会社では無口で必要最低限しか喋らない同僚・橘圭介の部屋に、私は合鍵で何度も転がり込み、彼の上で自分の欲を満たす。抱きしめはくれないのに、追い返しもしない。その静けさと熱に依存し、好きかただの欲かもわからないまま、答えを知るのが怖くて、今日も彼の奥で揺れ続ける。
会社では寡黙な同僚、橘圭介。
けれど夜の彼は、何も言わずに私を奥まで満たす――ただし、抱きしめはしない。
「俺は何もしねぇから」と言いながら、熱く硬い体温だけを与えてくる。
自分で動き、求め、何度も絶頂を迎えるのは私の役目。
終わらない快感と、答えてくれない距離感が、ますます彼を手放せなくさせる。
好きか、ただの欲か。確かめられないまま、私は今日も合鍵で彼の部屋に入り、彼の上で揺れる――何度も。
無口な同僚の家に転がり込んで抱かれたけど何も始まらないし、終わらない。
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